7月14日(金)
今日が今回の最後の撮影である。
ロサンゼルスから車で3時間半もあるベイカーズ・フィールドというところへ向う。
リンゼイとセクタリー、それにボディガードは前日からベイカーズ・フィールドのヒルトン・ホテルに泊まっているのだ。
ベイカーズ・フィールドは、ロサンゼルスから北へサンフランシスコへ向って約3分の1の距離を行ったところにある。穀物の集産地だ。
ここには、アーモンド農園があって、ロッテもこの農園からアーモンドの実を買っている。
カリフォルニアの陽射しの下、アーモンドの木の下に木もれ日がちらちらとあたると、彼女の顔が生き生きと見えてくる。
アーモンドの木の下を走りぬける、リンゼイのしなやかな体がスローモーションなのでまるで宙を舞っているかのようだ。
彼女との仕事が今日で終わりだと思うと、何だかさみしい気持ちになってくる。
別れぎわに手を握ると、頼りないほど優しいやわらかな手だった。
リンゼイは、インデペンデントな女性である。
そういう彼女こそ現代のアメリカが求めている理想の女性の姿ではないだろうか。
(by Yushi Ebihara)
☆ ☆ ☆ ☆
以上。
(「ロードショー78年10月号より。)「ロスで会ったリンゼイ・ワグナー」
日本でのこのCF放送が流れたのは78年の9月からであった。