モロッコの古都マラケシュから独り旅立つ青年エバンは、同じアメリカ人で美貌のモデル・ディアドラと知り合う。故郷への途を同じくする内、互いに惹かれ合うふたり。だがエバンは脱走兵で、生活に疲れ、裁判を覚悟して帰郷する身上だった。旅路が深まるままにふたりの心は移ろい、ままならぬ仲と知りつつ愛も深まっていく…。
デビュー映画にしてモデルの経歴を生かされ、ディアドラ役に抜擢されたリンゼイだが、このディアドラ役のオーディションには、あの「チャリ・エン」のケイト・ジャクソンも参加していた!リンゼイが77年に「バイオニック・ジェミー」でエミー賞にノミネートされていた当時は、ケイトも「チャーリーズ・エンジェル」でノミネートされていた。結果、リンゼイがエミー賞を受賞。ケイトにとっては2度目の不運であった。
(関連記事・画像) ●
「ペーパー・チェイス」THE PAPER CHASE(1973年)
(スタッフ)
監督: ジェームズ・ブリッジス
製作: ロバート・C・トンプソン
ロドニック・ポール
脚本: ジェームズ・ブリッジス
撮影: ゴードン・ウィリス
編集: ウォルター・トンプソン
音楽: ジョン・ウィリアムズ
(キャスト)
ハート (ティモシー・ボトムズ)
スーザン (リンゼイ・ワグナー)
キングズフィールド教授 (ジョン・ハウスマン)
ケビン (ジェームス・ノートン)
(ストーリー)
ここを良い成績で卒業することが競争社会でバラ色の出世コースを歩むことが約束されているハーバードロースクール。理想に燃えて入学したハート(ティモシー・ボトムズ)に立ちはだかる難関は、厳格で尊大な名物教授キングスフィールド。彼に気に入られるために友人たちと勉強会を始めた。しかしある日、町で偶然出会った美女スーザン(リンゼイ・ワグナー)と恋に落ちたハートは、「勉学のためには恋愛はいらない」という学友たちの忠告に反して彼女に夢中になる……。
(メモ)
この映画でジョン・ハウスマンは、アカデミー賞・助演男優賞を受賞。監督のブリッジスは、ロバート・ワイズからの推薦でリンゼイの起用を決めた。が、彼女の出演シーンは多くカットされてしまった。
リンゼイはこの映画の後、最初の夫になるアラン・ライダーと結婚した。
(サントラ) DVD情報 ●「壮烈な賭~男の理想は女の不幸か」
SECOND WIND(1976年・劇場未公開)
(スタッフ)
監督: ドン・シェビブ/ハル・アッカーマン
(キャスト)
ロジャー (ジェームス・ノートン)
リンダ (リンゼイ・ワグナー)
(ストーリー)
男には、自分自身に挑戦しなければならない時が、いつか来る。例え、人生の全てを失っても…。
女には、どうしてそれが理解できないのだろうか?
ロジャー(ジェームス・ノートン)は証券会社の社長に抜擢。家族は浮かれた。だが、彼は喜べなかった。
初めて人生に疑問を持った.何でも簡単に手に入り、何の問題もなく、安易で退屈な生活。一度だって危うい橋を渡ろうとはしなかった。
ロジャーは、ジョギングに興味を持った。厳しい鍛錬と、自己規制。大レースを目標として、心身ともに自分の可能性を最大限に試されるジョギングは、彼にとって人生の全てを賭ける理想へとふくらんだ。だが妻のリンダ(リンゼイ・ワグナー)は、彼の情熱に嫉妬する。
(メモ)
この「壮烈な賭」を撮影する前、リンゼイは「600万ドルの男/バイオニック・ジェミーの秘話」にゲスト出演していたが、ユニバーサルから契約を切られていた。映画女優になることを望んでいたリンゼイのために、この映画の仕事をとってきたエージェントのロン・サミシェルズだったが、(ロンは、リンゼイのためにウエイトレスの仕事までとっていた。それだけ仕事がなかった。)お茶の間の反響によって再びユニバーサルと契約することに成功した。
「600万ドルの男/蘇ったバイオニック・ジェミー」への出演もあってリンゼイの仕事は多忙になった。
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「ナイトホークス」NIGHTHAWKS(1981年)
(スタッフ)
監督: ブルース・マルムース
製作: マーティン・ポール
製作総指揮: フランクリン・R・レヴィ/マイク・ワイズ
原案: デヴィッド・シェイバー/ポール・シルバート
脚本: デヴィッド・シェイバー
撮影: ジェームズ・A・コントナー
音楽: キース・エマーソン
(キャスト)
ディーク (シルベスター・スタローン)
マシュー・フォックス (ビリー・デイ・ウイリアムズ)
ウルフガー (ルトガー・ハウアー)
アイリーン (リンゼイ・ワグナー)
(ストーリー)
ロンドンでテロを起こし、壮絶な銃撃戦の末にパリへ逃亡した国際テロリスト、ウルフガー(ルトガー・ハウアー)が整形手術により顔を変えてニューヨークに潜入した。オトリ捜査の名手であるニューヨーク市警のコンビ、ディーク(シルベスター・スタローン)とフォックス(ビリー・デイ・ウイリアムズ)は特殊部隊ATACに編入しウルフガーを追う。
(メモ)
久々のスクリーン・カムバックとしてリンゼイの活躍が本作では期待されたが、彼女のシーンは編集で多くカットされてしまった。しかし、主演のシルベスター・スタローンはリンゼイが演技をやりやすいように何度も台本を書きなおしたりした。スタローンについてリンゼイは、「スタローンって人は、どこでも目立つし、目立つことが好きなのね」とのこと。
DVD情報 ●
「ダーティソルジャー野良犬軍団」HIGH RISK(1981年)
(スタッフ)
監督: スチュワート・ラフィル
製作: ジョセフ・ラフィル/ルイジ・チンゴラーニ/ジェラルド・グリーン
製作総指揮: ジョン・デイリー
脚本: スチュワート・ラフィル
撮
影: アレックス・フィリップス・Jr
音楽: マーク・スノウ
(キャスト)
ストーン (ジェームズ・ブローリン)
クリント (ジェームズ・コバーン)
マリアーノ (アンソニー・クイン)
(ストーリー)
ストーン(ジェームズ・ブローリン)率いる野良犬軍団は、密売人クリント(ジェームズ・コバーン)から武器を買い麻薬王セラノに近づく。
(メモ)
男性キャストがメインのアドベンチャー・ストーリーの中で、紅一点のリンゼイは滝つぼの崖から落ちて怪我をしたり、ハードな撮影となった。この映画が製作されたのは、81年だったが日本で公開されたのは大分後になってからだった。主演のジェームス・ブローリンとリンゼイは89年のTV映画「Voice of the Heart(心の声を聞きながら・B・Tブラッドフォード原作)」で再共演した。
●「遥かなる少年の日々」
MARTIN'S DAY(1984年・劇場未公開)
(スタッフ)
監督: アラン・ギブソン
製作: リチャード・F・ダルトン/ロイ・クロスト
脚本: アラン・スコット/クリス・ブライアント
撮影: フランク・ワッツ
音楽: ウィルフレッド・ジョセフス
(キャスト)
マーチン・ステッカート (リチャード・ハリス)
メニン博士 (リンゼイ・ワグナー))
マーチン (ジャスティン・ヘイリー)
(ストーリー)
17歳の時、ふとしたことから人を殺してしまったステッカート(リチャード・ハリス)は、それ以来愚かな罪を重ねて刑務所の中で今や中年になろうとしていた。ある日、友人のブルーアの面会を機に、彼は少年時代を過ごした美しいオンタリオ湖への想いがおさえられず、ついに脱走する。久々に自由を手にしたマーチンだったが、警察から逃れるために1人の少年を人質にしてしまう。偶然にもその少年の名もマーチンといった。カウンセラーのメニン博士(リンゼイ・ワグナー)は、警察とは別のルートで彼らの行方を追う。
(メモ)
この映画の撮影当時は、長男のドリアン君が生まれて間もなかったために撮影の合間に子守りができるように契約を結んだ。産後のためダイエットもかねてリンゼイは撮影と子守りに精を出していたよう。主演の子役は当初映画「チャンプ」のリッキー・シュローダーが予定されていた。リッキーはこの映画の前にTV映画「カインド・オブ・ラブ」でリンゼイの息子を演じた。
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「リコシェ~炎の銃弾」RICOCHET(1991年)
(スタッフ)
監督: ラッセル・マルケイ
製作: ジョエル・シルヴァー/ マイケル・レヴィ
製作総指揮: バリー・ジョゼフソン
原案: フレッド・デッカー/メノ・メイエス
脚本: スティーヴン・E・デ・スーザ
撮影: ピーター・レヴィ
音楽: アラン・シルヴェストリ
(キャスト)
ニック (デンゼル・ワシントン)
ブレイク(ジョン・リスゴー)
オデッサ(アイス・T)
ラリー (ケヴィン・ボラック)
プリシラ(リンゼイ・ワグナー)
(ストーリー)
カーニバルの晩、ロス市警の新米警官ニック(デンゼル・ワシントン)は、人質をとった凶悪犯ブレイク(ジョン・リスゴー)を機転をきかせ逮捕。その模様がニュースで流れると、彼は一躍マスコミからヒーローとして祭り上げられる。一方、獄中でそのニュースを見ていたブレイクは、自分をコケにした若造への憎悪の炎を燃え上がらせる。そして2年後、検事補に出世したニックへの復讐が始まる。
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「みにくいアヒルの子」A LIGHT IN THE FOREST(2002年・劇場未公開)
(スタッフ)
監督: ジョン・カール・ビュークラー
製作: ゲイリー・ロコンティ/ロジャー・メンデ/ タリー・サファディ
製作総指揮: ビル・ブレイク/フランク・ラティノ/エリック・ルージル/グロリア・モリソン
脚本: ジョン・カール・ビュークラー
撮影: トーマス・L・キャラウェイ
(キャスト)
ブリタ (ダニエル・ニコレット)
オードリー先生/パイン女王 (リンゼイ・ワグナー)
オットー/リッジウェル (エドワード・ローレンス・アルバート)
キンメル校長 (フランク・ボナー)
ゲイブ (クリスチャン・オリヴァー)
ホリー (クリストファー・カイマン ・リー)
ヘイゼル(アレクサンドラ・フォード)
(ストーリー)
クリスマスソングが街にこだまする中、ハイランド高校に転校してきた黒人の少女プリダは、さっそくいじめっ子グループの嫌がらせにあっていた。スイスのサーカス団で育っていた彼女は不慮の事故で両親を亡くし、祖母の家にひき取られたのだった。
両親の死を自分のせいだと思っているブリタ。公園に立つ「聖ホリー」の石像のそばで悲しみにうちひしがれ独り泣いていると、彼女の涙が石像をとかし、ヒイラギの精ホリーが現世に復活した!
(スタッフ)
監督:ブルース・マクドナルド/共同監督:ガブリエル・サプロフ
脚本:ザック・スミス/ジェイソン・バウムガードナー/ゲイレン・ギルバート/ティモシー・ラタジャンクザック
製作:ダリル・C・レフィーバー/音楽:ウィル・マッサー/撮影:トレヴァー・マイケルブラウン/ブライアン・シャンリー
(キャスト)
サムソン (テイラー・ジェームズ)
バレク王 (ビリー・ゼイン)
ラッラー (ジャクソン・ラスボーン)
デリラ (ケイトリン・レイヒー)
マノア (ルトガー・ハウアー)
(ストーリー)
紀元前1170年、イスラエル。ヘブライ人たちは、ダゴンの神を崇めるペリシテ王の奴隷とされ、圧政に苦しんでいた。
そんな民にとって唯一の希望は、3つの誓いと引き換えに神から怪力を授かったサムソンという青年。噂を聞きつけたペリシテ王は、サムソンの力を奪い自分こそが神になろうと軍隊を送りこむ。サムソンは時に1000人もの兵を蹴散らし、民の解放を目指す。しかし、王はサムソンに巧みな罠を仕掛け、ひとつひとつ誓いを破らせていく…。そして、遂に最後の誓いが破られた時、ひたむきな思いが奇跡を起こす…。
(メモ)
リンゼイは、サムソンの母親役で出演している。ルトガー・ハウアーが彼女の夫役で、サムソンの父親役。リンゼイとは、81年の「ナイトホークス」以来の共演となった。